意味がわかると怖い話

夏の恐怖

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「あっついなぁ…」

俺は誰に言うでもなく、 ぽつりとつぶやいた。

応える声などあるはずがないのに、 無意識のうちにつぶやいていた。

今年の夏は、とにかく暑い。

とろくなものを作る気にもならず、 つい夏バテになりそうだ。

現在俺は、それなりに大きな一軒家で、 独り暮らしをしている。

一軒家で独り暮らしなんて 贅沢だといわれるかもしれない。

だが家の裏は古い墓地で、 お世辞にも雰囲気のいい場所ではない。

それに……

去年までは暖かな家庭があり、 妻の作る栄養バランスの摂れた料理があったのだ。

妻が何も言わず、 突然俺の目の前から姿を消したのは昨年の秋頃だった。

優しくて料理上手な、 良くできた妻だった。

それ以来俺は、 この家で一人っきりの慣れない生活を送っている。

やはりそれも寂しくなってきたので、 仕事の休暇を利用して明日からは、 田舎の実家に帰省することにした。

一週間の帰郷を経て久しぶりに家に帰る。

「ただいまぁ~」

癖は抜けないもので一人でそう言いながら、 鍵を開けて家の中に足を踏み入れた時。

俺は激しく寒気がした。

なんだろう…?

違和感を覚えながら家の奥へと進み……

すべてを理解し、俺はゾッとした。

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