意味がわかると怖い話

天秤の上の命

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本文

滑車に繋げられた紐が、 二つの籠を吊している。

一方は死んでも守りたい俺の恋人がただ一人、入っている。

もう片方には親しい友人達5人と 殺したいくらいに嫌いな奴を1人、計6人を入れている。

全員息はしているようで、 死んではいないようだ。

俺はと言うと籠の中ではない。

むしろ籠の外から見ていて、 一歩踏み出したら落ちてしまうくらいに狭い足場に立っていた。

下は何も見えないほどの闇、 きっと落ちたら死ぬほど高いのだろう。

ふと声が聞こえた。

「あなたに選択してもらいます。 選択の放棄はあなたの命と引き換えです」

おいおいなんだ、 このくだらねぇ糞みたいな三文小説みたいなノリ。

大体展開が読めるぞ。

「あなたのポケットの中にカッターがあります」

手をポケットに入れ、確認する。

入ってる。

すべきことは察していても、 訳の分からない声を最後まで聞くことにする。

……っつっても自害しろ、 とかじゃねーだろーな。

「そのカッターで嫌いな籠の方の紐を切って下さい」

ああ、やっぱりかよ。

切った方は落ちて死に、切らなかった方は残る、と。

切る前に友人5人に心の中で謝った。

(悪いな皆、恨むんなら俺じゃなくてそいつを恨みな)

謝り終わって俺は6人入れている籠の方に近付き、 躊躇わずに紐を切った。

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