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「ただいま」
実家の玄関を開けながら、 私は力無い声で挨拶した。
かれこれ二年近くこの家を離れ、 ずっと都会で一人暮らしをしていた私にとっては、 久し振りの家族との再会である。
けれど、 両親と半ば喧嘩別れするような形でここを飛び出したので、 ずっと連絡も取っていなかった。
もちろん今日こうして突然戻って来る事も伝えていない。
私の味方をしてくれていた弟も、 ある日を境にメールどころか電話さえも繋がらなくなっていた。
玄関口でふと足元に目を向けると、 父の革靴と母のヒールが並んでいた。
なんだ、二人とも家に居るじゃない。
まだ私が家出した事を怒っているのだろうか……
今日こそは面と向き合って謝らないとな……
靴を脱ぐのに、 姿勢を支えるため手を置いた靴箱には、 かなり埃が積もっていた。
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