川を見守る男

2018/10/23 · 日常系

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いつの頃からか、その河川敷には、初老の男が立っていた。

日差しの強いの夏の日も。

雪のちらつく冬の寒い日も。

雨で増水した時には、真っ先に役所に知らせた。

堤防は、一部決壊したが、川沿いの住民の避難が早かったため、人的被害はなかったそうだ。

川の水が、元の流れに戻るまで、初老の男は、やはり1人、見守り続けた。

今日も初老の男は、河川敷を見守り続ける。

数年前、行方不明になった妻の帰りを待つかのように。