この話の恐ろしい真実は、語り手自身が「すげー怖い車」の正体だということです。
話をよく読み返すと、語り手は事件を第三者視点で語っているように見えますが、実は自分が黒バンの運転手として軽自動車を煽っていた張本人なのです。「全身スモークの黒バンで真夜中なのにライト消して軽自動車のあおってんの」という表現や、被害者の詳細な様子を知りすぎていることがその証拠です。
さらに恐ろしいのは、語り手が自分の犯罪行為を客観視して語っているという異常な心理状態です。「大丈夫だったんだろうか…」と心配しているフリをしながら、実際は自分が加害者だった事実を隠している。これは典型的なサイコパス的思考パターンで、自分の行為を他人事のように語ることで罪悪感を回避しようとしています。
被害者の女性が最終的に警察署に逃げ込んだということは、語り手の危険運転が相当悪質で、女性が身の危険を感じるほどだったということを意味しています。